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執筆者の写真Nakayama Siphonist

気持ちよくなってきた時の危険!

今回は、サイフォンコーヒー抽出に関わる方々の、ありがちで気づかない危険についてのお話!

皆さん、こんにちは。THE SYPHONIST の中山です。

主に、サイフォン抽出されるプロ向け投稿です。



簡単に言えば「サイフォン抽出慣れしてきた時のやり過ぎ」という話です。


これまで多くの方のサイフォントレーニングをさせていただき、ほとんどの方に当てはまるのがこれです。自転車でも車の運転でも包丁を使って料理するときでも、慣れてきたときに事故や怪我を招くことがありますよね。慣れていないときは恐々と慎重に向き合うために返って怪我をせず、慣れてくると技術が定着していないにもかかわらずできるようになった気がしてしまい、それが結果として大きな事故や怪我を招く動きになってしまいます。



サイフォンも同じなんです。


最初はサイフォンを1本淹れるだけでも怖くて慎重になります。それが2本、3本と同時に淹れられるようになったり、スピーディに淹れられるようになり、気づけば淹れるのが怖くなくなり、サイフォンに慣れてきた自分を実感するようになります。これは成長ですから、ほとんどの人が歩む当然のステップだと思います。






危険なのは "慣れてきたことより、その危険に気づかないこと"!


サイフォン抽出者の慣れの危険ゾーンにいる人を見てきて、なにより危険なのはそれに気づいていないことです。というより気づけないといってもいいかもしれません。このようなとき、突沸してしまったり、沸かし過ぎていたり、ロートを挿し忘れていたり、様々な見落としがあるにも関わらず、それを見落としているんです。


特に一番注視しなければいけないのは、味わいです。

撹拌という動作に慣れることにより撹拌が効率よくなってきているにもかかわらず、リズム良くやれるようになった気持ちよさに浸り、結果過抽出になってしまうケースがよくあります。気持ちよい動作と美味しさは別です!この危険ゾーンはそんな短いものではありません。人によっては何年も陥っていたりします。大事なのは、それを見抜いてアドバイスしてあげられる人がいることです。なぜなら、自分では徐々にそのゾーンに突入し少しずつ美味しくなっていったのち少しずつやり過ぎになっていることに気付けないでいるのです。なぜ気付けないのか、それはスムースに動けるようになった自分が気持ちがいいからです。



はじめてチャンピオンになったときですら小手先でした!


チャンピオンになったとき、スムースに動ける、早く動ける、いつものように動けるトレーニングを必死にしました。チャンピオンになると、多くの方からお褒めの言葉をたくさんいただきましたが、私にサイフォンを教えてくださった方からは「小手先で器用にやってる」と忠告を受けました。当時は、正直分かりませんでした。でもそれがわかるようになったのは、今から数年前くらいのことです。きれいない撹拌、きれいな動き、そう見える動きでも、意識が細部に行き渡った無駄にない安定した人の様子と、慣れた動きの気持ちよさに浸っている人の様子ではまったく違います。本当のプロのサイフォニストなら、それは分かると思います。前者は結果的に味わいを最優先できる人の動き、後者は自分の動きが優先になってしまっている人の動きといえます(気持ちよい動いて淹れられたコーヒーはきっと美味しくなっているだろうという動き優先思考にどハマりしてしまうケース)。それに気づかないことが一番怖いことです。気持ちの良い撹拌、冷静にみればそれはやり過ぎていませんか。。。


誰でもが通るような過程ではありますが、この投稿が、今の自分を振り返るきっかけになってくれたら幸いです。



THE SYPHONIST


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